794. 左右向きが紛らわしい取り付けマニュアル 〜SAS簡易検査キット〜

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最近、睡眠時無呼吸症候群(SAS。睡眠中に舌で気道が塞がって頻繁に呼吸が止まり、眠りが浅くなり疲労がとれない症状)の疑いありということで在宅検査をすることにしました。

病院で手続きをすると、写真のような検査キットが送られてきます。これを身体に取り付けて一晩寝ると、各種センサーが記録をとってくれて、後日それを元にした診断結果が出る、というものです。

そして下はその装着マニュアルです。実際にはこの本体の他に、鼻に装着するチューブと、人差し指先端に取り付ける血流量計(上の写真の右上)があります。

自分がいわゆる左右盲なせいもあると思いますが、この説明図はわかりづらいなと感じました。図は身体を正面から見たものですが、これを見て自分の胸前に装置を装着する時は左右がひっくり返ります。「本体の向きにご注意ください!!」と「!!」と強調する位なので正しい向きに取り付けることはそれなりに重要なのでしょうが、「白いボタンが右側」という文字表現は直観的ではありません。図の向き、つまり自分の身体に向かって右なのか、自分の目線から装置を見下ろした状態で右なのかが明示されていないのです。結果、図を頼りに「白いボタンが”右手”側」なんだろうなと解釈をする必要が生じます。そうです最初から「右手側」と書けば良かったのかも知れません。そもそも向きが大事な機器であるならばボタンやマークを上(下)側にレイアウトすれば「ボタンがある方が上」などと伝えることもできたのではないでしょうか。さらに言うと、そこまで遡らなくてももっとわかりやすい表現が可能です。先述の血流量センサーのケーブルは写真のように最初から装着された状態で送られてきます。その反対側に鼻チューブを自分で差し込む穴があります。つまり、「ケーブルが下」とか「チューブを刺す穴が上」と書けば良いのではないでしょうか?

実際向きを取り違えて計測してしまうとどれくらい問題なのかよくわかりませんが、曲がりなりも医療機器ですから万に一つも間違えないような配慮が望ましいですよね。

793. 実例を挙げてリマインド 〜駅トイレの忘れ物防止ポスター〜

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写真は都営大江戸線の築地市場駅のトイレ出口に掲示されていた忘れ物の注意喚起ポスターです。

単に文字で「お忘れ物にご注意ください」と書かれたポスターはあちこちで目にしますが、これはイラストで実際によくあるであろう忘れ物を挙げて「お忘れ物はございませんか?」と問いかけています。実際にこれでどれくらい効果があがっているのかはわかりませんが、心理学的にはとても有効なんじゃないかと思います。忙しい移動中、文字情報はあまりしっかり読まれることはないでしょうが、こうしたカラフルで目立つイラストなら目に留まって、「あ、そういえば」と気付く確率が上がるのではないでしょうか。また言語情報に拠らないということは日本語がわからない外国人にも伝わるし、大きいので弱視の方がわざわざ単眼鏡をかざさなくても識別できるなんてことも期待できるかも知れません。

私もお腹弱いので駅のトイレはよく利用するし、実際傘などをたまに忘れることもあります。そんな時にこういう形でリマインドしてくれると有り難いなと思いました。

 

792. うっかり火傷を負うリスクを軽減する回転寿司店の蛇口

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写真は回転寿司チェーンのはま寿司の客席にあるお茶用の蛇口です。一般的な蛇口と違って湯飲みで押し込むレバースイッチがついていません。どうやってお湯を出すかおわかりになりますか?ちなみに赤外線センサーによる自動式ではありません。

 

もっともよく見かけるものは、12年前のこちらの日記にあるタイプですね。日記では黒いボタンをうっかり指で押してしまうと指に熱湯がかかって危ないんじゃないかという指摘をしています(実際にはこのボタンはかなり強く押さないとお湯が出ないようになっており、うっかりミスにも配慮はされています)。

対して、はま寿司のタイプは、金色を部分がハンドルになっていて、普通の蛇口のようにひねってお湯を出す方式です。しかも出過ぎや出しっ放しを防ぐように、ひねることができる角度は限定されており、かつ手を離すとバネで停止位置に戻る仕組みになっています。

なるほど、この形ならば出水口の増したに操作部がある、という位置関係ではない為、事故の可能性は減りそうですね。難点は片手で操作が完結しない点でしょうか(一応湯飲みを置けば片手でも注げますが、落差があり跳ね返りが不安でした)。

押しボタン式は安全の為、ボタンが固めになっていると書きましたが、これが力の弱い人にはちょっと負担が大きい(押せない)という指摘もあるようで、その辺りの意見も考慮してこうした別解が考え出されたのでしょうか。正直慣れてしまえば押しボタン式の方が手早い気はしますが、これはこれでより安全側に振った設計ということでアリかも知れません。

 

791. 暗示的な情報提示〜SUZUKI バレーノのメーター〜

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先日車を修理に出す機会があって、代車としてスズキのバレーノという車種を借りてしばらく使用しました。写真は同車のメーターパネルです。

パネル上部にアーチ状の青いライトが光っています。これはアイドリングしている状態ですが、走り出すと水色や黄緑色へと変化します。これは瞬間燃費の良し悪しを示していて、青<水色<黄緑色と順に燃費が良くなっていきます。この手のアンビエントな照明による情報伝達は過去に他社の車にも搭載されていますし、私自身も十数年前に業務で似たような提案をして試作品を使って試走したこともありますが、市販車でじっくり乗ったのは初めてでした。

自動車のメーターパネルはただでさえたくさんの警告ランプがあり、その意味を正しく理解していないユーザも少なからずいます。しかも昨今は燃費情報やクルーズコントロール関連、先進安全装置関連などの表示が上乗せされて情報量過多気味です。運転中に必要な情報が瞬時に読み取れなければならないメーターパネルにノイズとなる無駄な情報を無闇に増やすわけにはいきません。そこで、安全運転に関わるランプ類と比べるとやや優先度が落ちる燃費情報に関して、こうしたバックグラウンド的な表現を採っているんですね。最近の一般的な車種では「ECO」という文字や葉っぱを模したアイコンを、高燃費走行中に点灯させるのが主流です。また少しいい車になると、グラフィック表示で燃費数値を表示したりグラフを出すものもありますが、そういったものよりは直観的でかつ必要充分な情報量をもっている気がします(正確な数値は相当こだわる人以外には情報負荷でしょうし)。

こうした発想はMITの石井裕教授が考案したアンビエントディスプレイ[ASCII]という考え方に由来しています。意識して注視をしなくても周辺視で状況把握ができること、異常時にアラートを出すのではなく、平常時に平常運転であることをユーザに負担をかけずに伝達するといったものです。私は20年来の彼とこのアイデアのファンですが、ようやくさまざまなところで実用化されてきたなと感慨深いものがあります。

個人的にはタイヤの空気圧とかオイルの劣化とかもっと安全に深く関わり、かつ結果として燃費走行にも寄与する要素のフィードバックに使えたら嬉しいなと思いますが、それらの情報はそもそもセンサーで読み取れてない車種がほとんどなので、まずはできるところで、というところでしょうか。

 

 

790. 憶えてられないならスマホで確認 〜Nintendo Switchの保護者用暗証番号〜

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任天堂のDSシリーズやWiiなどのゲーム機は親が買って子供に使わせることも多く、またインターネットに接続する機能もある為、「保護者による機能保護」機能が以前からついています。ネットを利用する機能を使うには保護者が設定したパスワードを入力しなければならないように設定できるのです。

ところが保護者も必ずしもそういう管理が得意な人ばかりではないので「設定したはいいがパスワードがわからなくなった!」ということが多々あります。そういう場合は任天堂のサポートに電話で連絡をして解除手続きをしなければならず大ごとでした。

そこで先日発売になった新型機Nintendo Switchでは少し違うアプローチがとられたようです。

写真は保護者ロックのかかったNintendo Switchでネットワーク設定を変更しようとした際に表示された画面です(ウチは子供はいませんが、機能の検証の為にこの機能をオンにしていました)。早速いつも使ってる暗証番号を入れて見ましたが受け付けられません。そういえばそもそも暗証番号なんて設定した憶えもないです。文字が小さく手恐縮ですが「この先へ進むには、暗証番号を入力してください」の下に「暗証番号はスマートフォンアプリ「Nintendo みまもり Switch」で確認できます。」とあります。

Nintendo Switchは専用の保護者向けスマホアプリで使用時間を監視したり、一定時間で強制的に使用を中断させたりできるのですが、なんと暗証番号自体をアプリが自動的に決めて設定してあったのです(確認してみると普段まったく使わないような数字だったので、自分で決めたものではないはず)。「どうせ設定しても忘れるんだから、スマホアプリで見る前提でこっちで適当に決めときますね」ということなんでしょう(もちろん自分で決めて変更することもできます)。

スマホがあって当該アプリをセッテイングできてることが前提ではありますが、なんかあってもいちいち任天堂に電話をしなくても済むし、保護者の負担もサポートコストも減らせて次世代機らしいやり方なんじゃないでしょうか。

 

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